「管理人」と呼ばれる男がいる。
裏社会での商売を生業とする通称『闇の出荷人』。
クライアントから依頼を受け、標的となった人物へ“徹底的な管理”を施し、
“従順な商品”へと仕上げた後、希望する顧客たちへ出荷する闇人だ。
先日案件を終えたばかりの彼だったが、休む間もない。
今度は富豪一族で有名な京藤家の長男:雅臣氏から
遺産相続発表を兼ねた結婚報告会への潜入依頼が届く。
依頼内容は遺産相続を快く思わず、雅臣氏の相続権失脚を目論む、
次男:征嗣氏が送り込んできた企業スパイを撃退し、
逆に征嗣氏の権威を失脚させて欲しい。というものだった。
ただのスパイ撃退の依頼だったら断っていたのだが、スパイの情報資料を見た彼はこれを受けることにする。
“枢木翔子”。若干変則的な仕事にはなりそうだが、今回の標的に狙いを定めた彼は、急ぎ準備を進めるのだった。